研究課題
毛包発生の最も初期のステージ(プラコード期:1層の表皮組織と細胞増殖を停止した線維芽細胞の集団が相互作用を開始するステージ)から毛包発生を長時間ライブイメージングできる実験系の確立に成功した。この実験系を用いて、細胞の系譜を網羅的に追跡することで、毛包表皮細胞の発生起源と発生系譜を明らかにした。興味深いことに、プラコード期の表皮基底層には、特有のパターンを持つ細胞運命地図が描かれた。次に、毛包発生過程における細胞状態(遺伝子発現)の変化を1細胞の解像度で解析するために、発生過程の毛包の1細胞トランスクリプトームを実施した。トランスクリプトームの解析から、各表皮細胞が発生過程でその分子状態を変化させていく様子が明らかとなった。ライブイメージングの細胞系譜やダイナミクスのデータと統合させることにより、毛包発生における細胞の4次元動態だけでなく、その過程で起こる遺伝子発現の変化をも同時に計測できる器官発生の「統合1細胞マルチオミクス解析」の基盤が確立できた。このマルチモダルなデータを含有する数理モデルを構築するために、画像上のピクセル位置と時間情報から、細胞の時空間的な位置情報を数値データとして得るための作業を進めている。
すべて 2019 2018 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 4件、 招待講演 8件) 図書 (2件) 備考 (1件)
eLife
巻: 7 ページ: 38883
10.7554/eLife.38883
Development, Growth and Differentiation
巻: 60 ページ: 531-541
10.1111/dgd.12577
https://www.bdr.riken.jp/jp/research/labs/fujiwara-h/index.html