上皮と間充織との相互作用は、ヒトを含めた様々な脊椎動物の様々な器官発生を支える普遍的な細胞間相互作用である。本研究ではマウスの毛包をモデルに、その相互作用がどのような細胞動態によって支えられているのかを、新しいイメージング方法を確立することで明らかにすることを目指した。我々は、毛包の培養条件を工夫することで、毛包発生が始まる前の最も初期のステージから、毛包発生を長期間ライブイメージングできる実験系の確立に成功した。この実験系を用いて、細胞の系譜を網羅的に追跡することで、様々な毛包表皮細胞の発生起源と系譜を明らかにした。その結果、毛包が陥入する前の表皮に特徴的な細胞運命地図があることが分かった。
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