研究課題/領域番号 |
17K19683
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
八木 健 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (10241241)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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キーワード | 突然変異 / 変異マウス / DNA複製 / 疾患モデル |
研究実績の概要 |
本研究では、内在的に突然変異を高発するマウス系統を使用して、マウス系統の継代を繰り返すことで、生きたマウス個体に遺伝的多型を蓄積させ、エピスタシス(多重な遺伝的変異の相互作用)による新たな生命デザインモデルマウス作製系を開発し、これまでに解析が困難であった量的形質や多因子疾患に関わる遺伝子変異を明らかにすることを目標としている。 平成29年度は、内在的に突然変異を後発する2種類の遺伝子改変マウス(それぞれを遺伝子A改変マウス、遺伝子B改変マウスと呼ぶことにする)を用いて、継代を重ねることで、マウス系統に突然変異を蓄積させ、どちらの遺伝子改変マウスが本実験モデルにおいて、有効であるかどうか、確認する作業を進めてきた。それぞれの遺伝子改変マウスについて、表現型スクリーニングを行うことで、可視的な表現型異常の出現頻度を解析した結果、遺伝子A改変マウス、遺伝子B改変マウスともに、野生型マウスに比べて、高い頻度で表現型異常が出現することが明らかになった。遺伝子A改変マウスでは、特に高い頻度で表現型異常が出現することが明らかになった。さらに、それらの遺伝子改変マウスで蓄積された変異の総数と変異のスペクトラムを明らかにするため、それらの系統について、次世代シーケンサーHiseqを用いて全ゲノムシーケンシングを実施した。シーケンシング後のデータ解析は、既存の方法論では不十分であるため、変異検出のための新たなパイプラインの構築に取り組んできた。塩基置換型変異と微小な挿入欠失型変異については、正確に捉えるための解析系が構築できつつある状況である。今後、検証実験を行うことで、それらの系統にどのような変異が蓄積されたか明らかにしていこうと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り、新たな生命デザインモデルマウス作製系を開発して、全ゲノムシーケンシングを実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度では、全ゲノムシーケンシングの結果を明らかにするとともに、そこで得られた遺伝子変異のリストをもとに、これまでに認められた表現型異常(疾患症状と関連する表現型異常で、単一遺伝子のメンデル遺伝では説明できない遺伝性を示すもの)を生み出すに至った、遺伝因子の同定を進めていく。これにより、エピスタシスによるモデルマウス作製系の構築を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新たな生命デザインモデルマウス系統での全シーケンス解析が、予定より遅れ平成30年度に解析を行うため、その予算である1,517,725円を繰り越した。
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