本研究ではオルガノイド培養の手法を用いて下垂体腫瘍モデルを作成し、その病因・病態解明、創薬、そして個々の腫瘍特性に合わせたテーラーメード治療を目指して実験を行なった。これまでに下垂体腫瘍67例および下垂体腫瘍細胞株の三次元培養を行い条件の最適化を試みた。その結果、初代培養系では2週間以上のホルモン分泌能の維持が困難であるところを1ヶ月の増殖および3ヶ月のホルモン分泌能の維持が可能になった。また下垂体腫瘍細胞株の三次元培養系では形質の回復と薬剤反応性がみられ、創薬を目指したスクリーニング系の樹立が可能になった。現在さらにプロトコールを改善し、実用性の高いオルガノイド株樹立を目指している。
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