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2017 年度 実施状況報告書

iPS細胞を用いたアロの壁と時空間を超える免疫制御法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K19691
研究機関北海道大学

研究代表者

清野 研一郎  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (20312845)

研究分担者 バグダーディ ムハンマド  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 講師 (60711570)
和田 はるか  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 講師 (70392181)
研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2019-03-31
キーワード免疫寛容
研究実績の概要

【免疫寛容源となりうるドナー細胞の探索】我々はこれまでにiPS細胞由来マクロファージの免疫抑制能に関して報告してきた。本年度はその他の免疫寛容源となる細胞を探索するため、ドナー脾臓細胞および脾臓から分取したB細胞をレシピエントマウスへ輸注し、皮膚移植によりその効果を検討した。その結果、脾臓細胞投与およびB細胞投与の両群においてドナーマウス系統の皮膚移植片の長期生着が認められた。一方で3rd partyとなるマウス系統の皮膚は早期に拒絶された。この結果から、投与された細胞のマウス系統に特異的な免疫寛容状態が誘導されたと考察される。従って、ドナーに対する免疫寛容を誘導しうる細胞として、iPS細胞由来B細胞もその候補の1つとして考えられる。
【Delayed Tolerance Inductionの検討】本研究の研究計画に基づき、免疫抑制剤投与下で長期生着後の皮膚移植片からiPS細胞の作製を行った。皮膚移植片はタクロリムスおよび抗CD4、CD8モノクローナル抗体の投与によって生着を維持した。移植30日後に回収した皮膚移植片から線維芽細胞を単離しドナー細胞の割合を解析したところ、90%程度の割合でドナー線維芽細胞が分取可能であった。この線維芽細胞に対し、レトロウイルスベクターによる遺伝子導入法(山中4因子: Oct4, Sox2, Klf4, c-Myc)によりiPS細胞様コロニーを形成する細胞を得た。このうち、未分化細胞マーカーであるSSEA1を高発現している細胞が1%程度認められた。今後、移植片由来線維芽細胞から作製したiPS細胞を用いて免疫寛容源となりうる細胞を分化誘導する。この細胞を免疫抑制剤投与下にあるレシピエントマウスへ投与することによって、免疫抑制剤からの離脱もしくは使用量を減量し、移植片の生着維持が可能であるか検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

概ね順調に進展しているので。

今後の研究の推進方策

ドナーに対する免疫寛容を誘導しうる細胞として、これまでに我々が報告してきたiPS細胞由来免疫抑制性マクロファージに加え、iPS細胞由来B細胞もその候補の1つとして考えられた。今後、脾臓に含まれるその他の細胞に関しても寛容誘導能を有しているか精査する予定である。
また、移植片から作製したiPS細胞を用いて免疫寛容源となりうる細胞を分化誘導する。この細胞を免疫抑制剤投与下にあるレシピエントマウスへ投与することによって、免疫抑制剤からの離脱もしくは使用量を減量し、移植片の生着維持が可能であるか検討する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 免疫寛容誘導を目指したiPS細胞由来胸腺組織作製の試み2017

    • 著者名/発表者名
      大塚亮、和田はるか、Muhammad Baghdadi、清野研一郎
    • 学会等名
      第16回日本再生医療学会総会(横浜)

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公開日: 2018-12-17  

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