本研究成果は、2つの学術的、社会的意義を有している。1点目は、in vivoでダイレクトにヒト肝臓細胞からβ細胞への転換可能性を示した点である。特に、網羅的遺伝子発現解析からIsl1遺伝子が強力な転換誘導因子として同定できたことは、高い学術的意義を有する。2点目は、レスベラトロール配糖体であるポリダチンが酸化ストレスに伴うβ細胞死に対して、抑制効果を持つことを明らかにした点である。ポリダチンは、単独でβ細胞死を抑制し、糖尿病モデルに対する血糖改善作用を示したが、今後、再生されたβ細胞を保護する可能性を検討することで、将来の再生医療における利用可能性を示した。
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