研究課題/領域番号 |
17K19702
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
馬場 祥史 熊本大学, 医学部附属病院, 特任講師 (20599708)
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研究分担者 |
美馬 浩介 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (00546559)
澤 智裕 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (30284756)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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キーワード | Fusobacterium / microbiome / esophageal cancer / gastric cancer |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、消化器癌切除・再建術後のmicrobiomeの変化を網羅的に解析し、体重減少に影響を及ぼすmicrobiomeを同定することである。食道癌・胃癌に対して切除・再建術を行う患者50例の手術前及び後の糞便からDNAを抽出し、16S rRNAシークエンスによりmicrobiomeの変化を網羅的に評価する予定であるが、現在施設倫理委員会の審査を経て、サンプル収集を開始している。現在までに約30例の糞便サンプルの収集を行っており、順次16S rRNAシーケンスに提出する予定である。海外共同研究者であるDana-Farber Cancer InsituteのDr. Shuji Oginoとも適宜連絡を取っており、今後の解析の際には協力を得られる体制である。 また、microbiomeと腫瘍免疫の関連にも着目しており、食道癌におけるIDO1発現、腫瘍浸潤リンパ球に関する検証を行った。IDO1高発現、腫瘍浸潤リンパ球が少ない症例は予後不良であることが明らかになり、Ann Surg誌に投稿し採択された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに約30例の糞便サンプルの収集を行っており、順次16S rRNAシーケンスに提出する予定である。また、術後の体重変化、quality of life(QOL)、サルコペニア(Sarcopenia;骨格筋・筋肉[Sarco]が減少[penia])などの臨床データの収集を同時に行っており、現在400症例のデータバンクが構築されている。このように研究は概ね予定通りに進展している。
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今後の研究の推進方策 |
現在までに約30例の糞便サンプルの収集を行っており、順次16S rRNAシーケンスに提出する予定である。糞便からのPowerMag Microbiome RNA / DNA Isolation Kit (MO BIO Laboratories, Inc.)を用いてDNAの抽出を行う。16S rRNA領域プライマーを設計し、MicroSeq(R) 500 16S rDNA PCR Kitを用いてPCR増幅 を行う。次に、次世代シークエンサー(PRISM 3100 Genetic Analyzer)により塩基配列を決定する。データベース上でBLAST検索を実施することにより、既知の微生物の16S rDNA配列との相同性検索を行い、近縁種と推定される微生物リストを作成する。bioinformaticsに関しては、海外共同研究者であるDana-Farber Cancer InsituteのDr. Shuji Oginoによる協力のもと施行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
試薬、消耗品については、医局保管のものを使用することが出来た。試薬、消耗品の購入費、及び、研究データの管理、資料整理を行ってもらうための事務補佐員の雇用経費に充てたいと考える。
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