本研究の目的は、消化器癌切除・再建術後のmicrobiomeの変化を網羅的に解析し、体重減少に影響を及ぼすmicrobiomeを同定することである。食道癌・胃癌に対して切除・再建術を行う患者50例の手術前及び後の糞便からDNAを抽出し、16S rRNAシークエンスによりmicrobiomeの変化を網羅的に評価する予定であり、現在施設倫理委員会の審査を経て、サンプル収集を開始している。術前、及び術後一年での糞便を検体として使用する予定であり、現在までに約30例の糞便サンプルの収集を行っており、順次16S rRNAシーケンスに提出している。海外共同研究者であるDana-Farber Cancer InsituteのDr. Shuji Oginoとも適宜連絡を取っており、今後の解析の際には協力を得られる体制である。 また、栄養状態を評価するために、Prognostic Nutritional Index: PNIのデータベースを構築しており、そのデータベースを用いて、術前の栄養状態と腫瘍免疫の関連を明らかにした。全身栄養状態(PNI)が腫瘍局所免疫に影響を与え、予後にも影響を与えるという結果を、Ann Surg誌に投稿し採択された。
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