研究課題/領域番号 |
17K19703
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
三高 俊広 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50231618)
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研究分担者 |
谷水 直樹 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (00333386)
吉川 大和 東京薬科大学, 薬学部, 准教授 (20274227)
須藤 亮 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (20407141)
市戸 義久 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (80452978)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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キーワード | 小型肝細胞 / 胆管上皮細胞 / 毛細胆管 / ヘリング管 / 胆汁 / 管腔形成 / 成熟化 / 細胞外基質 |
研究実績の概要 |
本申請にかかる4つのテーマ(1)肝前駆細胞培養と類肝組織形成、(2)胆管上皮細胞培養と細胆管形成、(3)培養デバイスの設計と作成、(4)デバイスを用いた組織と機能評価、に分けて研究を進めた。本年度は昨年度に引き続き(1)(2)のテーマを主に研究を行った。(3)については、毛細胆管と胆管が接続する条件が決まらないとデバイスの設計が出来ないことがわかり、(3)(4)のテーマは達成できなかった。 (1)HPPCsはlaminin111上に播種し無血清培養するとself-renewal能を維持しながら増殖することが分かった。また不均等分裂し娘細胞を生じるが、娘細胞はlaminin alpha5鎖依存性に生存し増殖する。HPPCsをlaminin alpha5鎖上で培養するとself-renewal能を消失することも分かった。HPPCsのself-renewal機序はintegrin beta1-signalを介することを明らかにし、現在論文投稿中である。 (2)マウス肝細胞と胆管上皮細胞を用いて、胆汁排泄機構を持つ類肝組織をin vitroで形成させる方法を開発した。成熟肝細胞または小型肝細胞と胆管上皮細胞をコラーゲンゲル上で共培養し、コラーゲン/Matrigelを重層すると肝細胞が形成する毛細胆管と胆管が接続し胆汁が胆管に流れることを確認した(特許出願済)。毛細胆管と胆管が接続するためには、胆管上皮細胞を先に培養し、一定の条件に達した後に(小型)肝細胞を播種することが必要で、その後Matrigelを含むコラーゲンでサンドイッチ状にして培養する。これにより10日ほどで毛細胆管と胆管が繋がった構造がある頻度で形成される。肝細胞が分泌する胆汁が毛細胆管を入り、胆管に流れること、胆汁は培養液中に漏出せず、胆汁溜まりを形成するようになった(特許出願済)。
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