研究課題/領域番号 |
17K19721
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
近藤 峰生 三重大学, 医学系研究科, 教授 (80303642)
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研究分担者 |
杉本 昌彦 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (00422874)
生杉 謙吾 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (10335135)
松原 央 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (20378409)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | 網膜電図 / 動物モデル / ウサギ / a波 / ERG / 視細胞変性 / 網膜色素変性 |
研究成果の概要 |
網膜電図(ERG)の最初の陰性波であるa 波の起源は主に視細胞であると信じられてきた。しかしながら、視細胞が重度に変性した状態でもこの起源が正しいかどうかは知られていない。我々は、ウサギの網膜変性動物モデルを用いて、視細胞が変性した状態におけるERGのa波の起源を研究した。高齢のTgウサギを使用し、3次ニューロンを抑制する薬物を注射した前後でERGのa波を記録した。その結果、進行した視細胞変性を有するTgウサギから記録される小さなa波は、TTXとNMDAでほぼ完全に消失することがわかった。以上の結果により、進行した視細胞変性網膜ではa波の起源に3次ニューロンが多く含まれることがわかった。
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自由記述の分野 |
眼科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の我々の成果によって、網膜変性をERG で評価する際の原理に新しい解釈が加わる可能性がある。「進行した網膜色素変性から記録されるERG のa 波には視細胞の成分はほとんど含まれておらず、その多くは3 次ニューロン由来である」、という今回の結果は、視覚科学の分野で長年信じられてきたERG の常識を大きく変える可能性がある。また、今回の我々の成果は、視細胞が変性していく過程で網膜内に起こっている二次的な回路の変化(視細胞変性後の網膜内ニューロンのリモデリング:Jones, Kondo, et al. Jpn J Ophthalmol. 2012)にも新しい知見を加えると考えている。
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