研究課題/領域番号 |
17K19724
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮本 享 京都大学, 医学研究科, 教授 (70239440)
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研究分担者 |
荒川 芳輝 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (20378649)
上久保 靖彦 京都大学, 医学研究科, 准教授 (60548527)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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キーワード | グリオーマ / RUNX1 / 悪性転化 / Mesenchymal型転換 / 転写スイッチ / 低分子化合物 |
研究実績の概要 |
本研究は、グリオーマ悪性転化に関わる転写ネットワーク異常を標的にした転写スイッチ低分子化合物の開発を目的とする。グリオーマMesenchymal型転換の転写ネットワーク異常でRUNX1が関与することが指摘されている。そこで、平成29年度は、転写を制御(スイッチ)する低分子化合物合成の開発に取り組み、グリオーマにおけるRUNX1転写制御複合体のコンセンサス配列結合阻害化合物の作用解析を行った。化合物の一つ、alkylating agent-conjugated pyrrole-imidazole (PI) polyamides(アルキル化剤修飾ピロール-イミダゾールポリアミド:PI-ポリアミド)のChb-M’は、 RUNXファミリー制御遺伝子群を包括的に人工的にスイッチオフすることが明らかとなってきた。そこで、ヒト由来グリオーマ細胞株で解析した結果、Chb-M’はグリオーマ腫瘍細胞の増殖制御を示すことが明らかとなり、その50%阻害濃度を決定することができた。これらの細胞障害作用が、数種類のグリオーマ細胞株で確認されたため、普遍的な作用系と判断された。さらに、Chb-M’投与による制御される遺伝子群を同定し、生存シグナルの阻害が腫瘍制御に働いている可能性を見出した。ヒト由来グリオーマ細胞株におけるRUNX1転写制御複合体阻害化合物とコンセンサス配列結合阻害化合物が誘導するゲノム変化の解析として一部の遺伝子プロモーターのメチル化状態の同定に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予想された結果が得られているため
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今後の研究の推進方策 |
RUNX1転写制御複合体のコンセンサス配列結合阻害化合物の作用として、浸潤、悪性形質転換、Mesenchymal型転換に着目して解析を進める。悪性形質転換の解析には軟寒天コロニー形成アッセイによる足場非依存的増殖を定量する。Mesenchymal型転換の解析では、グリオーマ幹細胞からのMesenchymal transition への形質転換を定量する。各実験系におけるRUNX1転写阻害による表現型同定に加えて細胞内シグナル、転写ネットワーク改変の同定を行う。さらに、全ゲノム解析とDNAメチル化に着目した解析を行い、RUNX1阻害で誘導されるエピゲノム変化を同定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予想以上に順調に実験が進んだため
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