研究課題/領域番号 |
17K19733
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
藤岡 正人 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (70398626)
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研究分担者 |
小川 郁 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (00169179)
北尻 真一郎 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (00532970)
宇佐美 真一 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (10184996)
西尾 信哉 信州大学, 医学部, 特任講師 (70467166)
松永 達雄 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), その他部局等, 部長 (90245580)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | iPS細胞 / 遺伝性難聴 / 疾患iPS研究 / 創薬 |
研究実績の概要 |
本研究では蝸牛の本質的機能である音刺激から神経活動への変換を担当する有毛細胞不動毛(Stereocillia)の障害に焦点を絞り、iPS細胞技術を用いて、既知変異・新規変異での病態解析研究を展開する計画である。昨年度にCillia障害性難聴を呈する遺伝性難聴症例のうち3例からiPS細胞を樹立した。本年度は、昨年度からの課題であった ①不動毛の微細構造を再現する、成熟した内外有毛細胞の大量分化誘導プロトコルの確立と、②有毛細胞の電気生理学的評価法樹立を確立した。 ①iPS細胞からの精緻な内外有毛細胞の分化誘導プロトコル 現存の我々のプロトコルの分化誘導の各段階と、胎生期コモンマーモセット蝸牛とから、蝸牛感覚上皮発生段階で内有毛細胞、外有毛細胞領域に発現し、かつ分化誘導に関与しうるようなシグナル分子の発現を多数検討した。この結果に基づき、外有毛細胞を選択的に得るプロトコルを得ることに成功した。他方、内有毛細胞を選択的に誘導するプロトコルについては現在も探索中である。 ②予備実験として生直後のマウスコルチ器から樹立した器官培養系において、有毛細胞の電気生理学的評価法樹立を確立した。 来年度は、昨年度樹立した(1)MYO15A変異難聴患者由来iPS細胞2例、(2) CDH23変異難聴患者由来iPS細胞1例において、①のプロトコルで疾患有毛細胞を誘導すると共に、その表現形解析を、免疫染色や走査電子顕微鏡による解析、および②のプロトコルによる電気生理で解析する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度に当初確立する予定だったiPS細胞由来の内外有毛細胞作成技術がなかなか量産レベルまでに至らず、当初の予定より若干遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
最も技術的に困難な部分は超えたと考えられる。引き続き研究を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
上述のように一部の研究が技術的理由により予定より遅延したことによって、元来解析中の検討事項が来年度に繰り越されたため。本年度当初の予定通りに研究を進めることにより、使用額となる見込みである。
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