本研究は、破骨細胞と破骨細胞以外の細胞融合系の脂質動態について比較した初めての研究であり、本研究によって、それぞれの融合系は脂質動態に関して異なった機構を用いている可能性が高いことが示唆された。今後、破骨細胞特異的な脂質動態に焦点をあてて研究を発展させることが、破骨細胞融合機構のさらなる解明につながるものと考えられる。また、本研究によってsiRNAの新しい安定化手法が見出された。核酸医薬品は、新しい世代の創薬ツールとして注目されているが、生体内における安定性という点では改善すべき点が多い。本研究はsiRNA医薬品の安定化の一助になる可能性があり、新しい骨代謝疾患治療薬への応用が期待できる。
|