研究課題/領域番号 |
17K19752
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岩山 智明 大阪大学, 歯学研究科, 特任助教 (80757865)
|
研究分担者 |
野崎 一徳 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (40379110)
村上 伸也 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (70239490)
|
研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
|
キーワード | 組織透明化 / レポーターマウス / セグメンテーション |
研究実績の概要 |
本研究課題では、組織透明化技術と細胞ラベリング技術を応用することにより、新しい歯周組織イメージング法を開発するとともに、画像認識技術を用いて多数の個体から取得した三次元データのデータベース化を行うことを目的としている。本年度は主に以下の4つの成果を得た。 1.マウス上顎を採取し、固定脱灰後、SeeDB2法、CUBIC法、Scale法、ECi法のそれぞれを用いて透明化処理を行い、比較検討したところ、ECiを用いた場合に最も高い透明度を得られた。さらに脱灰処理の種類や有無が透明度に及ぼす影響を検討したところ、ECiによる組織透明化では、骨組織は脱灰なしでも非常に高い透明度が得られるものの、エナメル質輪郭のみが残ることが明らかとなった。 2.レポーターマウスを用いた細胞の蛍光標識、蛍光タグ用いた核染色について、その蛍光シグナルが透明化処理および脱灰処理後に保持されるかどうか検討した。さらに蛍光標識抗体をマウスに投与することで、血管などのランドマークを描出が可能となった。 3.上記のように透明化かつ蛍光ラベリングされたマウス上顎骨を、①高速で光学切片を得ることのできるZeiss社Lightsheet Z.1顕微鏡、②多点共焦点方式で素早い撮像が可能で、超解像撮影も可能なAndor社Dragonfly、③共焦点顕微鏡Leica社TCS SP8を用いて3次元画像を撮影した。取得した画像のセグメンテーションをFEI社Amiraソフトウェアを用いて行った。 4.透明化イメージングにより得られる三次元データをさらに活用するために、他の手法を用いた歯周組織三次元データの集積の可能性を探索した。中でも、nmオーダーの解像度を持つマイクロCTであるBruker社SkyScan1272を用いてマウス上顎骨の撮影を行ったところ、エナメル質・象牙質・歯槽骨のみならず、歯根表面のセメント質が描出された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた各種透明化技術の比較、透明化パラメーターの最適化、蛍光ラベリング保持の比較が完了し、手動ではあるものの撮影した画像処理プロトコルが確立したため。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き、研究分担者との打ち合わせを綿密に行いながら、本年度に確立した透明化およびラベリング法を用いて、歯周組織の三次元データの集積を行うとともに、現在手動で行っているセグメンテーションの自動化を行い、画像取得から画像処理、データベース化までの完遂を目指す。
|