研究課題/領域番号 |
17K19759
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
山本 安希子 (山田安希子) 日本大学, 歯学部, 助教 (70452646)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2023-03-31
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キーワード | 自己免疫疾患 / T細胞 / 代謝 |
研究実績の概要 |
本研究は、シェーグレン症候群について疾患特異的なT細胞の細胞内代謝システムを解明し、その結果に基づき、自己反応性T細胞の細胞内代謝を正常なT細胞の代謝にシフトさせることで、T細胞の活性化を抑え、病態の発症あるいは増悪を抑制することを目的とする。 これまでに申請者は、シェーグレン症候群疾患モデルマウスおよび健常マウスのリンパ節および脾臓から分離したT細胞を用いてマイクロアレイ解析を行い、代謝系について解析したところ、疾患モデルのT細胞では解糖系が亢進していることを示唆する結果を得ている。さらに、疾患モデルマウスおよび健常マウスのT細胞について質量分析も行い、非常に興味深い結果を得ている。 2020年度は、質量分析で得られた疾患関連分子に焦点をあて、それらの機能解析等を行う予定であったが、申請者の所属先機関が徳島大学から日本大学に変更となり、現所属講座でこれまでと同等の実験を行うことは困難となった。当初は申請者自身が定期的に徳島大学に出向し、これまでと同様の実験を進めていく予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大により、徳島大学への出向が困難となった。 そのため、2020年度はこれまでに得られている結果を総括し、共同研究者とウエブ会議による研究ディスカッションを重ね、論文作成を行った。今後は現所属講座においてもある程度解析が可能となるよう、科学研究費で購入可能な機器等を用いた解析系の構築を検討しつつ、社会情勢を考慮した上で研究活動を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請者は徳島大学から日本大学に移動したが、研究環境の違いにより異動前と同等の実験を行うことが困難になった。そのため、申請者は定期的に徳島大学に出向し実験を行う予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大による影響で徳島大学では入構制限が実施され、申請者は徳島大学での実験が出来なくなってしまった。そのような背景から進捗状況はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの結果を総括して作成した論文を完成・投稿するとともに、研究計画に基づき代謝酵素を標的としたプロテオーム解析やリン酸化プロテオーム解析など予定していた質量分析について検討を行う。また、社会情勢により対面での共同研究等が困難な状況が続く場合には、可能な解析については外注による実施を行う。さらに、日本大学においてもある程度解析が可能となるよう、科学研究費で購入可能な機器を用いた実験系の構築を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
申請者は所属が徳島大学から日本大学に変更となり研究環境が変化した。計画書に記載した研究を遂行するため、当初は徳島大学に定期的に出向し実験を行う予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により実施できなかった。そのため物品の購入が少なくなり、次年度使用額が生じた。 令和3年度は繰越金を利用して、社会状況を考慮しつつ徳島大学での実験を行うとともに、可能な実験系については日本大学での実験系の立ち上げを検討する。
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