研究課題/領域番号 |
17K19759
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
山本 安希子 (山田安希子) 日本大学, 歯学部, 助教 (70452646)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2023-03-31
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キーワード | 自己免疫疾患 / T細胞 |
研究実績の概要 |
シェーグレン症候群は、ドライアイ、ドライマウスを主症状とする自己免疫疾患であり、涙腺および唾液腺の導管周囲に著明なリンパ球浸潤を認める。これらリンパ球の大部分は活性化した自己反応性T細胞であり、これらの免疫反応により外分泌機能が傷害される。しかしながら、自己反応性T細胞の活性化を制御するメカニズムについては、多方向からのアプローチにより解明を図っているものの詳細は未だ不明であり、根治的治療法が存在しないことが問題となっている。本研究では、細胞内代謝の観点から、シェーグレン症候群における自己反応性T細胞の活性化機序を明らかにすることを目的としている。 申請者は2020年4月に徳島大学から日本大学へ所属が変更した。当初は徳島大学に出向し研究を遂行する予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大により徳島大学への入構が制限され、実施できなかった。 一方で、これまでにシェーグレン症候群モデルマウスおよび健常マウスのそれぞれのリンパ臓器から分離したCD4陽性T細胞を用いてプロテオーム解析を行った結果より、病態の進展に伴った発現変動を示す興味深い分子を同定した。プロテオーム解析で得られた結果については、フローサイトメトリー等により検証済みである。現在、当該分子の遺伝子ノックアウトマウスの作成を計画している。また、申請者の現所属講座および日本大学において実施可能な実験系の確立についても検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
シェーグレン症候群疾患モデルマウスについて、病態の進展度による分類を行いCD4陽性T細胞について定量プロテオーム解析を行った結果、病態の進展に伴った発現変動を示す分子を同定した。現在、当該分子について、遺伝子ノックアウトマウスの作製を計画中である。しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大により徳島大学に出向して解析を行うことが困難であることから、全体として進捗状況はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
申請者は2020年度に徳島大学から日本大学に所属が変更となった。徳島大学に出向し、研究を遂行する予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大により困難であった。今後は社会情勢を考慮しながら、当初の計画通り徳島大学に出向し、メタボローム解析やリン酸化プロテオーム解析に着手する予定である。また、作製を検討しているノックアウトマウスについても作製および解析を行うことを計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
申請者は2020年度に徳島大学から日本大学に所属が変更となった。徳島大学に出向し解析を行う予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大が続いており徳島大学への立ち入りが制限されたことから、計画書に沿った解析を行うことが困難であった。そのため、消耗品の使用や研究打ち合せに伴う旅費等が少なくなり次年度使用が生じた。令和4年度は、社会情勢を考慮しつつ徳島大学へ出向し実験を行うとともに、日本大学においても解析可能な実験系の確立を図る。また、実施不可能な解析については外注による解析を行う予定である。繰越金はこれらに充てる計画である。
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