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2018 年度 実績報告書

人工口腔癌幹細胞の作製とその性状解析による新たな研究基盤の確立

研究課題

研究課題/領域番号 17K19760
研究機関徳島大学

研究代表者

工藤 保誠  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 准教授 (50314753)

研究分担者 石丸 直澄  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (60314879)
常松 貴明  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (70726752)
研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2019-03-31
キーワード口腔癌幹細胞 / 細胞周期 / Emi1
研究実績の概要

本研究では、口腔癌細胞において、Emi1の過剰発現あるいはCdh1のノックアウトによりAPC/Cユビキチンリガーゼの活性を恒常的に抑制し、胚性幹細胞の細胞周期調節を再現させることにより、胚性幹細胞でみられる恒常的なAPC/Cの活性の抑制を介した自己複製や未分化能の維持を誘導し、人工的に口腔癌幹細胞を作製することにチャレンジすることを目的にしている。本年度は、APC/C inhibitorであるEmi1を口腔癌細胞に過剰発現させた細胞における幹細胞マーカーの発現を検討した。昨年度、我々は、Emi1の分解ドメインを変異させた分解抑制型変異体を作成し、野生型および分解抑制型変異体をテトラサイクリン誘導性に口腔癌細胞に導入した細胞を作成し、テトラサイクリンの投与によりEmi1の発現が誘導されることを確認している。さらに、Emi1の分解抑制型変異体は、野生型に比べて、増殖能が遅く、幹細胞の性質を有することが明らかにしている。本年度は、Emi1の分解抑制型変異体を導入した細胞において、幹細胞マーカーであるNANOG、SOX、POU5F1およびFBXO15の発現上昇を確認している。興味深いことに、Emi1の分解抑制型変異体の方が、野生型に比べて幹細胞マーカーの発現が高かった。Cdh1をCRISPR/Cas9システムを用いたゲノム編集によりノックアウトを試みたが、うまくいかなかった。また、Cdh1ノックアウトマウスの胎児線維芽細胞(Mef)を用いて、幹細胞マーカーの発現を検討したところ、幹細胞マーカーの発言が見られることを見出した。また、胚性幹細胞の細胞周期の特徴であるG1期の短縮も見られることを確認した。本年度で研究は終了であるが、引き続き、Emi1を口腔癌細胞に過剰発現させた細胞のin vivoにおける役割や性質を明らかにしたい。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [国際共同研究] New York University(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      New York University
  • [雑誌論文] Predicting cancer outcome: Artificial intelligence vs. pathologists2019

    • 著者名/発表者名
      Kudo Yasusei
    • 雑誌名

      Oral Diseases

      巻: 25 ページ: 643-645

    • DOI

      10.1111/odi.12954

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Aurora Kinase Inhibitors in Head and Neck Cancer2018

    • 著者名/発表者名
      Qi Guangying、Liu Jing、Mi Sisi、Tsunematsu Takaaki、Jin Shengjian、Shao Wenhua、Liu Tian、Ishimaru Naozumi、Tang Bo、Kudo Yasusei
    • 雑誌名

      Current Topics in Medicinal Chemistry

      巻: 18 ページ: 199~213

    • DOI

      10.2174/1568026618666180112163741

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Invasion-Related Factors as Potential Diagnostic and Therapeutic Targets in Oral Squamous Cell Carcinoma: A Review2018

    • 著者名/発表者名
      Siriwardena Samadarani、Tsunematsu Takaaki、Qi Guangying、Ishimaru Naozumi、Kudo Yasusei
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 19 ページ: 1462~1462

    • DOI

      10.3390/ijms19051462

    • 査読あり
  • [学会発表] Emi1の過剰発現による人工口腔癌幹細胞の作成2018

    • 著者名/発表者名
      西條 早紀, 大塚 邦紘, 常松 貴明, 大塚 邦紘, 牛尾 綾, 新垣 理恵子, 工藤 保誠, 石丸 直澄
    • 学会等名
      第107回日本病理学会総会
  • [学会発表] 細胞周期調節を標的としたがん幹細胞の分化誘導とその臨床応用の可能性2018

    • 著者名/発表者名
      工藤保誠
    • 学会等名
      2018先端医学研究交流セミナー「がん・白血病ー先端研究の現状ー」
    • 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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