研究課題/領域番号 |
17K19762
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
市川 哲雄 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (90193432)
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研究分担者 |
伊藤 照明 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 准教授 (90284306)
石田 雄一 徳島大学, 病院, 講師 (90403708)
後藤 崇晴 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (00581381)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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キーワード | 唾液分泌量測定 / アルコール / においセンサ / におい強度 / 口腔乾燥 |
研究実績の概要 |
高齢者の口腔機能管理に重要な口腔乾燥(唾液分泌量)の評価法に関して、我々の独創的なアイデア「水溶性のにおい物質を口に含んだ後、そのにおいの消失過程を定量的に測ることで、患者の唾液量を推定できる」を証明することにあった。 本年度は、適切なにおい物質を探索したところ、におい強度を簡単にかつ安全に測れる物質としてエチルアルコールに注目した。におい物質を口腔内に与える方法として、エチルアルコール入りの噴霧型口中清涼剤を口腔内に噴霧する方法を考案した。ベンチサイドテストとして、このエチルアルコール入りの口中清涼剤を口腔内舌上に1回噴霧した後の呼気中アルコール強度の経時的変化を2種類の半導体センサで計測した。あわせて将来のチェアーサイドでの計測を考慮し、汎用で安価なアルコールセンサでもにおい強度の計測を行った。 その後、チェアサイドテストとして、被験者を若年健常者と患者を対象に、以下の臨床実験を行った。エチルアルコール入りの口中清涼剤を口腔内舌上に1回噴霧したのち、アルコールセンサで噴霧直後、1分後,2分後、3分後のアルコールにおい強度を計測した。外的基準として口腔湿潤度(口腔水分計ムーカスで測定)で、サクソン法に準じた安静時唾液分泌量、カーゼ咀嚼による刺激時唾液分泌量、および口腔乾燥聞き取り調査を行った。 結果、アルコール刺激後にそのにおい強度は時間とともに減少することが示された。また、高価な半導体センサを使わずとも,汎用のアルコールセンサで対応できることも示された。臨床試験では、本試験の直後-1分後におい強度の差が刺激時唾液分泌量と相関があることが示され、隔日間の計測の級内相関による信頼性も他の外的基準の計測よりも高いことが示された。以上のことより、我々の仮説による唾液分泌量測定の可能性が示された。
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