細胞外に放出されたATPは、組織損傷の情報を免疫系に伝える危険信号(danger signal)として働く。本研究では、マクロファージなどの炎症性細胞が細胞外ATPに応答して炎症性サイトカインの一つであるインターロイキン-1β(IL-1β)を放出する際のミトコンドリアの役割を検討した。その結果、ATPに対する受容体として機能するリガンド作動性イオンチャネルP2X7の下流で、機能を保持したミトコンドリアがカルシウムを能動的に取り込むことが、細胞外ATPによるIL-1βの効率の良い放出に重要な役割を担う可能性が示された。
|