研究課題
挑戦的研究(萌芽)
歯周病原細菌Prevotella intermediaの病原因子の一つにバイオフィルム形成能があげられる。これまでの研究からこの活性にはType IX 分泌システム(T9SS)が必須であることが示唆された。本研究では本菌の全遺伝子からバイオフィルム形成に関わるT9SS輸送タンパク質と予測される候補遺伝子を6つ抽出し、うち5つの遺伝子の変異株の作成に成功した。解析の結果、これらのうち2つがバイオフィルム形成に必須であることを明らかにした。
口腔病原微生物学
プレボテラ・インターメディアはグラム陰性偏性嫌気性細菌であり、慢性歯周炎の主要病原細菌の一つとしてあげられる。さらに、急性壊死性潰瘍性歯肉炎、妊娠性思春期性歯肉炎などの発症と強い関連が報告されている。本研究の成果は世界に先駆けて本菌の重要な病原因子であるバイオフィルム形成に関わる遺伝子を2つ同定することができたことである。この成果は今後の本菌の病原性機構の詳細な解明に役立つと考える。