本課題は、抗がん剤治療を適切に中止することが患者の予後に悪影響を及ぼさず、むしろQOL向上に貢献することを仮説とした。分子標的薬を最終治療として服用中の進行肺がん患者を対象に多施設共同研究グループによる観察研究を開始し、現時点で100例を超える症例が集積され、目標の200例に向けて継続中である。いずれは予後不良因子到達後の医療コストの算出や抗がん治療継続の経済的影響も含めた解析を行い、その後の前向き介入研究の基礎データとする。一方で、上記観察研究とは別に終末期がん患者の治療実態に関するレトロスペクティブ研究を行い、終末期に関わらず化学療法を受けることが有益と考えられる患者群を示すことができた。
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