研究課題/領域番号 |
17K19809
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
若村 智子 京都大学, 医学研究科, 教授 (40240452)
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研究分担者 |
西村 舞琴 京都光華女子大学, 健康科学部, 講師 (30757183) [辞退]
北村 真吾 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 睡眠・覚醒障害研究部, 室長 (80570291)
長島 俊輔 京都大学, 医学研究科, 助教 (80826503) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2021-03-31
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キーワード | 睡眠 / 糖尿病 |
研究実績の概要 |
今までの成果をもとに、睡眠に関する看護の視点としての知識の普及や、看護の対象の主観的・客観的睡眠評価の理解に焦点をあてて、日本看護研究学会第46回学術集会の交流セッションに、応募し、採択された。ただし、コロナ禍の影響で、学術集会の開催方法の変更が余儀なくされ、交流集会は中止となった。 また、今までの蓄積されたデータを、今年度に解析し、高齢化の進む地域での睡眠特性、特に糖尿病との関連に焦点をあてて、日本生理人類学会第81回大会で報告した。40歳以上75歳未満でPSQI質問紙(睡眠の質)を完答した1044人を対象に、糖尿病リスクをHbA1cの基準で、6.0%未満、6.0%以上7.0%未満、7.0%以上の3群にわけ比較した。ハイリスク群は、他の群と比較して、PSQIの下位スコアの睡眠の質と睡眠効率が有意に悪く、睡眠困難も有意に強くなった。さらに、ハイリスク群の睡眠時間への満足は、他の2群と変わらなかったが、意識は軽度リスク群と比較して強かった。これは、糖尿病患者への睡眠指導の必要性を示唆しているだけでなく、ハイリスク群への睡眠指導は、効果が得られやすい可能性を示した。 地域の特徴としては、農業や漁業従事者が多く、勤務時間などの社会的制約の影響を受けづらいと考えられるため、総就床時間は確保できていたが、夜間の総睡眠時間は短かった。しかし、70%の人が、睡眠時間に満足していたことを考慮すると、今回の対象者は日中の仮眠などが可能なため、夜間の総睡眠時間が短くても、対象者は睡眠時間に満足していた可能性がある。PSQIは分断睡眠の生活者などを意図しておらず、PSQIのスコアだけでは反映されにくい睡眠状況がある実態が考えられた。睡眠を正確に把握するためには、日本国内であっても、その地域の対象者の多様な背景を理解した上で、適切な質問項目を選択する必要があることが明らかになり、睡眠教育プログラムの基礎となる研究となった。
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