研究実績の概要 |
【目的】法医鑑識科学において血痕検査は最も重要な検査である。ラマン分光法は、非破壊・非接触の分析法であり近年、法医鑑識科学分野で応用されている。研究代表者はこれまで、現場で使用可能なポータブルラマン分光器を用いた血痕の人獣鑑別法の確立[1]や、顕微ラマン分光法を用いた成人と乳児の血痕の識別法を確立してきた[2]。これらの方法を応用して、ラマン分光法を用いた血痕のtime after deposition推定法の確立を目指した。 【試料と方法】ガーゼに血液を滴下し血痕を作成した。一定時間室温で放置し、顕微ラマン分光器(JRS-SYSTEM2000; JEOL, Tokyo, Japan)により血痕のラマンスペクトルを得た。 【結果および考察】今回の予備的検討により血痕のtime after deposition推定にラマン分光法が応用可能であることが示唆された。今後は原子間力顕微鏡(AFM)を併用し更なる検討を行い、ラマン分光法による血痕のtime after deposition推定法の確立を目指したい。 【文献】 1 Fujihara J et al. Int J Legal Med (2017) 131(2):319-322. 2 Fujihara J et al. J Forensic Sci (2019)64(3):698-701.
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