研究課題/領域番号 |
17K19822
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
松井 邦彦 熊本大学, 医学部附属病院, 特任教授 (80314201)
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研究分担者 |
谷口 純一 熊本大学, 医学部附属病院, 病院教員 (20315302)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | 災害支援 / 医師 / 熊本地震 / 医師会 |
研究実績の概要 |
本年度は医師を対象にアンケート調査を行った。九州全県の県医師会の協力を得て、各県の会員を中心に送付した。送付数10,014、回収総数2,866、約30%の回収率であり、うち60%余りが診療所に属し、幅広い経験年数、様々な専門分野の方々が回答していた。回答者の14.7%は熊本県内が仕事先だった。回答者の13.6%が支援に参加した経験があり、その約半分(49.1%)は、医療機関での診療支援活動を行っていた。 災害支援活動のための準備状況について、熊本の医師(K群)は、九州他県の医師(O群)と比べ、有意に高い割合で肯定的に答えていた。周囲のサポートについても、K群は肯定的に答えていた。支援の参加に重要、影響を与えると思われる要因について、O群はK群と比べ 所属組織の方針、上司の理解、同僚の協力など、様々な周囲の要因について"とても思う"と答えた人の割合が多かった。支援に参加するために、支給、準備されるべきものについて、違いはなかった。今後の支援活動について、自然災害に対しては、地震を除き、K群とO群で、支援についての意思に明らかな違いを認められなかった。人為災害も、テロを除いてK群とO群に回答の違いはなかった。自然災害と比べ人為災害への支援に参加する可能性は、高くないと思われた。今後の災害発生時、支援に行くことが可能な長さについて、3日以内が40%、一週間以内を加えると計80%であった。これは、実際に支援に行った人の経験と、大きな違いはなかった。K群はO群と比べて、積極的に災害支援に参加する意思を示していた。 K群はO群と比べて、積極的に災害支援に参加する意思を示していた。自然災害の被災経験者の割合も高く、これらは熊本地震を経験した影響による可能性があろう。また医師としての経験年数が浅いと、より積極的に支援に参加する結果となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度行ったアンケート調査では、十分な数、内容の、データを得ることが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、本年度得られたデータを基に、より詳細な解析、検討を進め、関係学会(国際学会)での発表や、論文へのまとめを行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度得られたデータを基に、より詳細な解析、検討を進め、関係学会(国際学会)での発表、英語論文へのまとめを行う予定である。
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