研究課題/領域番号 |
17K19828
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
叶谷 由佳 横浜市立大学, 医学部, 教授 (80313253)
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研究分担者 |
柏木 聖代 横浜市立大学, 医学部, 教授 (80328088)
土肥 眞奈 (菅野) 横浜市立大学, 医学部, 講師 (50721081)
佐々木 晶世 横浜市立大学, 医学部, 助教 (90538018)
杉本 健太郎 横浜市立大学, 医学部, 助教 (80724939)
野崎 静代 横浜市立大学, 医学部, 助教 (90761271)
本多 由起子 横浜市立大学, グローバル都市協力研究センター, 特任助教 (90782219)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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キーワード | 多重介護 / 要介護者 / 介護支援専門員 / 退院支援 |
研究実績の概要 |
介護支援専門員3人のインタビューのプレテストにて、介護支援専門員が支援している要介護者の介護者の中で、最大4人の介護をしている事例がいること、「介護者が被介護化する」「被介護者が主介護化する」「介護者は休息できない」「介護者は専門的知識がなく被介護者の心身の状況変化時に相談してくる」「介護保険サービスは多重介護が考慮されていない」「1人で抱えなければならない負担」「被介護者の数の増加に伴う負担の増大」「仕事と介護の両立困難によって選択する介護離職」「世代に関連した困難がある」「他者の支援を受け入れられない」「地域の人への申し訳なさ」「多重介護者は被介護者数が減って時間ができると何をして過ごせばいいのかわからなくなる」「介護自体を自分の生きがいに感じる」「ショートステイ利用が介護者のレスパイトにならない」等の課題があることがわかった。先行研究レビューでは多重介護について大規模な系統的調査はなく、多重介護の事例報告のみしかないことがわかった。また、それらの事例より、高齢介護者の人数が多い、子育てと介護、子育てと障害児と介護等、多様な多重介護の事例が存在することが明らかとなった。それらの事例から、1人は介護保険の要介護者を含む事例という前提で、あり得る多重介護のパターンをあげ、選択できるような調査用紙を設計中である。調査対象者を全国の介護支援専門員と病院の退院支援を行っている看護師とし、前述した調査用紙にて、調査対象者が今までの支援で経験した多重介護のパターンを網羅的に把握することと、最も人数の多い多重介護の詳細、最も印象に残った多重介護事例について尋ね、課題についてたすねること、また調査対象者の属性を尋ねる予定で調査用紙を作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目は文献レビューと調査用紙の作成であり、ほぼそのめどがついている。
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今後の研究の推進方策 |
調査用紙を完成し、標本抽出法を検討したうえで倫理審査受審し、調査を行い、その結果をもとにシンポジウムを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
先行文献があまりなく、情報収集を主にインターネットや事例報告で行ったこと、他の経費で学会等の出張費がたまたま賄えた部分もあり、予定より安価な執行となった。現在、調査計画を立案しており、次年度は調査、分析、成果発表等を予定している。当初、調査対象者を介護支援専門員のみと考えていたが、病院の退院支援を担う者にも広げることで網羅的に実態が把握できると考え、調査対象者を広げていく予定である。調査で得られた実態結果が母集団を反映した結果となるように、調査用紙を配布する場所について系統的な標本抽出を行って決定すること、また、なるべく多数の回収が得られ、一般化、説得力をもたせるため大規模調査を計画し、その実施に予算を執行していく予定である。
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