研究課題/領域番号 |
17K19828
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
叶谷 由佳 横浜市立大学, 医学部, 教授 (80313253)
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研究分担者 |
柏木 聖代 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (80328088)
土肥 眞奈 (菅野) 横浜市立大学, 医学部, 講師 (50721081)
佐々木 晶世 横浜市立大学, 医学部, 講師 (90538018)
杉本 健太郎 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 講師 (80724939)
野崎 静代 横浜市立大学, 医学部, 助教 (90761271)
本多 由起子 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 研究員 (90782219)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | 介護 / 多重 / 高齢者 / 介護支援専門員 / 全国調査 / 在宅 / 子育て |
研究実績の概要 |
全国の都道府県を高齢化率の高い、中程度、低いの3群に分け、各群を総人口の中央値で2群に分け全6群から無作為に1都道府県を選択し、合計6都道府県を選択した。その都道府県の居宅介護支援事業所のうち乱数表を用いて1/2抽出し、それらの対象施設の介護支援専門員の代表者各1名を対象として多重介護の実態についての質問紙調査を行った(約3,000人)。調査票が配布された3,123の居宅支援事業所のうち、投函期限までに446居宅支援事業所から返送があった(回収率14.2%)。多重介護の関わりの有無は「有」と回答した居宅介護支援専門員が337人(82.4%)、「無」72人(17.6%)であった。多重介護の経験件数の平均は6.3±8.2件であった。関わった事例について、多重介護のパターンは「介護+介護」が245件(72.7%)と最も多く、「3人以上の介護」182件(54.0%)、「介護+子育て」174件(51.6%)も半数以上の居宅介護支援専門員が経験していた。被介護者数が最も多い多重介護の主介護者について、就労状況は「無職(専業主婦・主夫)」が被介護者2人まで(1群)と3人以上(2群)のどちらの群でも最も多かったが、1群では次いで「正規の職員・従業員」(24.9%)が多いのに対し、2群では「非正規の職員・従業員」(29.9%)が多かった。介護による退職の有無については、「無」が1群(88.9%)と2群(82.5%)ともに多かった。また、5人・6人の被介護者がいる介護内容について、それぞれ主介護者や被介護者の年代や健康状態は異なるが、全ての事例において被介護者に子供や孫が含まれており、介護と子育てを同時に行っていた。本研究で明らかになった多様な介護形態と、主介護者がおかれた環境についての知見をもとに、関係職種との連携や主介護者が一人で抱え込み、孤立しないような関わりが重要であるとの示唆を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査結果は順調に得られたが、この結果をもとに啓発、またシンポジウムでディスカッションを進めていく上でより効果的なシンポジウムの開催、企画が必要と考え、シンポジウムの開催のみ遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
調査研究結果を基に、啓発や今後の対策に効果的につなげていくための時期、開催場所、共催相手、シンポジストの選定を行い、シンポジウムの企画を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査結果を踏まえて、シンポジウムの目的やシンポジストを選定を吟味したほうが、効果的なシンポジウムとすることができると考え、2018年度予定していたシンポジウムを次年度とすることとした。
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