研究課題/領域番号 |
17K19830
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
横山 美江 大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (50197688)
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研究分担者 |
福田 早苗 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (50423885)
福島 富士子 東邦大学, 看護学部, 教授 (80280759)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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キーワード | 保健師 / 継続支援 / 保健師のやりがい / ネウボラ / 母子保健の再構築 / 予防的介入 |
研究実績の概要 |
本研究では、児童虐待の発生が極めて稀であるフィンランドの育児環境と、虐待による死亡事例も多発している日本の育児環境を比較分析することにより、日本の育児環境の問題点と特徴を明らかにし、児童虐待予防を強化するための日本に適した新たな母子保健システムを開発することを目的として研究に取り組んでいる。フィンランドでは、妊娠期から子育て期に至るまで切れ目ない手厚い支援がなされている。この切れ目ない子育て支援の中核をなしているのが、ネウボラである。ネウボラは、妊娠期から就学前にかけての子どもと家族を支援するための地域拠点であり、担当保健師が中心となって支援にあたっている。母子保健サービスを担う妊産婦ネウボラや子どもネウボラは、各自治体が設置している。妊産婦ネウボラや子どもネウボラでは、専属の保健師が配置されており、同じ担当保健師が母子や父親を含めた家族への支援を行っている。今年度は、ネウボラの基盤システムである就学前のすべての子どもをもつ家族を担当保健師が継続して支援するシステムを導入した自治体において、システム導入前と導入後の保健師の母子保健活動に対する認識の変化について分析することを目的として研究に取り組んだ。データ収集期間は、2020年9月から10月であった。データ収集は、インタビューガイドに基づいた半構造化面接によるフォーカスグループインタビューを実施した。研究参加者は、12人であった。本研究結果より、担当保健師による継続支援システムを導入することにより、保健師がハイリスクケース以外の家族に対しても積極的に関わることができ、早期からの予防的介入ができる可能性が高いことが示された。また、保健師としての喜びややりがいを高めることができることも示され、保健師としてのスキルアップの必要性も強く認識していることが明らかとなった。
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