研究課題/領域番号 |
17K19833
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
中村 裕美子 大阪府立大学, 研究推進機構, 客員研究員 (10299266)
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研究分担者 |
真嶋 由貴恵 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 教授 (70285360)
坂田 信裕 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50362132)
小泉 亜紀子 大阪府立大学, 看護学研究科, 助教 (60822559)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | 認知機能 / ロボット / 高齢者 |
研究実績の概要 |
目的:高齢者のロボットに対する印象と存在感を明らかにする。 方法:認知機能低下予防教室の参加者に対して、教室の開催前後にロボットに対する印象と存在感についてのインタビュー調査を実施した。インタビューをビデオ録画し、逐次録から内容を分析した。教室では複数のロボット(人型コミュニケーションロボット、犬型ロボットなど)を展示し、ロボットの機能説明、ロボットとのクイズ、楽器を用いたアクティビティを行った。 結果:研究協力者は、高齢者12人、女性6人、男性6人、平均年齢75歳であった。 ロボットに対する印象の回答時間は、教室前は平均9.8秒、教室後は17.3秒、変化量は平均+7.0秒であった。その内容は、教室前は、「かわいい」「賢そう」「受け答えしてくれるとうれしい」「生活に欠かせない」という肯定的印象、「好きじゃない」「親しみを感じない」という否定的な印象であった。教室後は、「動作や仕草がかわいい」「話ができる」「指示通りにうまく動いている」や「どうゆう風になっているのか」「何歳ぐらいの知能か」という機能や構造に対する疑問、「離れている家族との連絡やビデオが便利」「これから病院でも活躍するといい」であった。ロボットの存在感は、教室前は「遠い」6人、「近い」3人、「わからない」3人で、教室後は「遠い」9人、「近い」3人であった。「近い」存在の内容は、「一人になった時の寂しさを紛らわす」、「遠い」存在の内容は、「手元に置きたいとは思わない」「よくわからないところばっかり」であった。 考察:ロボットに対する印象についての語り時間は、教室後に増加し、内容は具体化していた。ロボットの動きを実際に見ることで動作やコミュニケーションできることに感心し、興味を持つようになっていた。しかし、自己に生活におけるロボットの存在は遠いものであり、高齢者にとって身近に感じられ利用しやすくする工夫が課題である。
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