研究課題/領域番号 |
17K19834
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研究機関 | 島根県立大学 |
研究代表者 |
井上 千晶 島根県立大学, 看護学部, 講師 (80413491)
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研究分担者 |
大平 光子 広島大学, 医歯薬保健学研究科(保), 教授 (90249607)
橋本 由里 島根県立大学, 看護学部, 准教授 (00423228)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | 母子相互作用 / 授乳時 / 携帯電話 / 視線計測 |
研究実績の概要 |
本研究は,授乳中の母子相互作用の特徴を①母子の行動観察②母の視線計測③母子の自律神経反応の3指標を用い携帯電話使用時の母子相互作用(授乳時)の特徴を可視化することを目的とし,3段階で研究を遂行する計画である。平成29年度は第1段階と第2段階の一部を実施した。 第1段階として母親の授乳時の携帯電話等の使用状況・行動把握のため,1~3か月児を持つ母親に対しインターネットを用いたアンケート調査を行った。1回目の回答者に対し6か月後に2回目の調査を行い,1回目は300件2回目は208件の回答を得た。1回目のデータ分析では,使用頻度や使用内容の差があるものの9割以上の母親が授乳時に携帯電話等の使用経験があること,携帯電話等の使用は産後早期からの習慣となっていたことが明らかとなった。また,使用内容は「時間の確認などで画面を見る」などだけでなく「検索・閲覧・選択する」など集中して行う必要のある操作も含まれていた。一方乳児への使用頻度と乳児への使用に対する考え(「よい」とそれ以外の回答)には関連があり,乳児への使用をよいと考える母親は乳児への使用頻度が高い傾向にある可能性が考えられた。現在2回目の結果を含めデータ分析を継続中である。 第2段階として,対象者への負担軽減となる環境調整及び予備的実験を行い,多角的な視点で実験方法の妥当性・信頼性を検証し授乳時の母子相互作用の特徴を可視化するための本実験計画を立案することとしている。平成29年は,研究者が新生児人形を用いて模擬実験環境を検討した。また視線計測器による計測に関しては操作熟練者からの助言を受け,装着ゴーグルの調整,視線範囲等の検討や動画解析プログラムの改造などを行い,予備実験計画を立案した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画書通りに遂行できている。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は,研究の第2段階として対象者への負担軽減となる環境調整及び予備的実験を行い,多角的な視点で実験方法の妥当性・信頼性を検証し授乳時の母子相互作用の特徴を可視化するための本実験計画を立案する。 研究者らで環境調整を行った後,生後3~12か月未満の母子を対象として月齢が高い子(6か月以上12か月未満)を持つ母子を対象とした予備実験を行う。予備実験対象者から実験に関する環境や配慮について聞き取りを行い,環境や配慮について修正改善しながら進める。また,実験で得られたデータをもとに研究方法の妥当性・信頼性を検証する。研究者間,専門家の助言,対象者への聞き取りなどから改善点を明らかにし,実験計画を修正,本実験計画を立案する。 平成29年度に得られた結果については,第20回日本母性看護学会学術集会で発表する。その後,データ分析を進め関連学会に発表および学会誌への投稿を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度は対象者への謝金・人件費が発生しなかったがほぼ計画通りの予算執行となった。平成30年度は、予備実験を開始するため対象者への謝礼や環境整備費、SDカード、電極パッドなどの消品費、研究成果発表のための旅費として使用する計画である。
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