研究課題/領域番号 |
17K19836
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高山 望 北海道大学, 保健科学研究院, 客員研究員 (50451399)
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研究分担者 |
笹木 弘美 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (20275499)
松原 三智子 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (20304115)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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キーワード | 疾病管理 |
研究実績の概要 |
1.目的:本研究の目的は,障がい者福祉施設の利用者に対して,慢性疾患(高血圧症,糖尿病,動脈硬化症)のリスク層別化を行い,高・中リスク群に対する慢性疾病管理プログラムを開発し,有効性を検証することである. 2.これまでの研究成果:研究協力施設は,A市内の日中活動系サービス事業所1施設において登録利用者数22名とした.研究の趣旨を理解し同意を得た13名を研究対象とした.介入プログラムの概要は,隔週1回として6ヶ月間で合計12回介入した.対象者は,男性5名,女性8名で,平均年齢は50.2±16.0歳だった.基礎疾患は,統合失調症4名,気分障害3名,脳血管疾患2名,知的障害2名,発達障害1名,潰瘍性大腸炎1名だった.第1回介入で,被験者に血圧値,血糖値,動脈硬化の測定値等健康診査を実施し,高血圧症,糖尿病,動脈硬化症のリスク層別化を行った. その結果,高リスク層4名,中リスク層6名,低リスク層3名に分類された.介入プログラムは,高・中リスク層の計9名に対して,Gottlied, et al(2006)による協働的パートナーシップ理論を活用して,個別支援計画を立案した.また,目標設定,Prochaskaの行動変容ステージを活用して,教育・相談を実施した.臨床指標は,体重,BMI,腹囲を毎月測定し,血圧,血糖値,血管年齢は中間,終了時に測定した. 3.考察:慢性疾患管理により,生体計測値,変化ステージの段階,食事,運動,服薬,喫煙に関する目標達成率に一定の変化が出た.しかし,冬季期間で血管収縮による高血圧への影響,年末年始でクリスマスや正月などの季節出来事より,普段の食生活に変化が生じた影響が生じていた.今後,行動変容を習慣化できた事例,そうでない事例の分析を行う.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1.理由:2020年度,大学附属病院長会議UMINへの臨床試験登録を行った後,本学の倫理審査委員会に承認を得た上で実施した.また,COVID-19の感染予防対策をとり,感染経路の遮断や換気,環境消毒を行った.収束を判断する時期は,特措法の規定に基づき緊急事態宣言がなく,緊急事態措置地区に指定されていないことを条件とした.2020年10月より調査を開始し,介入期間6ヶ月間で,2021年3月に調査を終了した.以上のことから、COVID-19感染拡大により研究の進捗状況がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
1.研究の全体計画:北海道大学大学院保健科学研究院の客員研究員として継続申請を行う.当該施設の倫理審査委員会に調査終了の報告書を提出する.対象施設については,COVID-19感染拡大第4波により,介入研究というデザインの特徴上,これ以上研究協力施設を拡充することは困難と判断した.研究対象者の規模は縮小してしまったが,今ある事例を丁寧に記述的に明らかにし分析することとする.研究分担者は,公衆衛生看護学,精神看護学に従事し研究を実施しているスペシャリストであり,本研究の学術的,実践的サポートを引き続き得る. 2.今年度使用額が生じた理由と使用計画:調査費用として,被験者への謝金1.3万円,人件費3万円,臨床保険費4万円,研究者交通費8.3万円,消耗品(衛生材料)15.8万円,共同研究者2名に各20万円の分担金を支出した.COVID-19の感染拡大の影響により学会はすべてWeb開催に変更となり,研究成果発表費用42万円,海外旅費40万円が減額になった.以上のことから,決算額74.6万円となり,次年度の繰越金額65.4万円となった.2021年度に,データの分析,考察を行うこと,また第41回日本看護科学学会学術集会への演題発表と日本慢性看護学会への学会誌投稿を予定としている.データ分析用にPCの購入10万円,分析ソフトの購入10万円,研究成果発表費用10万円を支出予定である.また世界的にCOVID-19が終息しなければ海外に学会発表することは困難と考えられるため,情勢をみて判断する.
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次年度使用額が生じた理由 |
1.研究の全体計画:北海道大学大学院保健科学研究院の客員研究員として継続申請を行う.当該施設の倫理審査委員会に調査終了の報告書を提出する.対象施設については,COVID-19感染拡大第4波により,介入研究というデザインの特徴上,これ以上研究協力施設を拡充することは困難と判断した.研究対象者の規模は縮小してしまったが,今ある事例を丁寧に記述的に明らかにし分析することとする.研究分担者は,公衆衛生看護学,精神看護学に従事し研究を実施しているスペシャリストであり,本研究の学術的,実践的サポートを引き続き得る. 2.今年度使用額が生じた理由と使用計画:調査費用として,謝金3万円,臨床保険費4万円,研究者交通費8万円,消耗品費15.8万円,共同研究者2名に各20万円の分担金を支出した.COVID-19の感染拡大の影響により学会はすべてWeb開催に変更となり,研究成果発表費用42万円,海外旅費40万円が減額になった.以上のことから,決算額74万円となり,次年度の繰越金額65万円となった.2021年度にデータ分析用にPCの購入10万円,分析ソフトの購入10万円,研究成果発表費用10万円を支出予定である.また世界的にCOVID-19が終息しなければ海外に学会発表することは困難と考えられるため,情勢をみて判断する.
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