研究課題/領域番号 |
17K19839
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研究機関 | 東京家政大学 |
研究代表者 |
瀧田 結香 (山田結香) 東京家政大学, 健康科学部, 講師 (80612605)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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キーワード | 肺高血圧症 / PAH / CTEPH / うつ / 不安 / セルフマネジメント / プログラム / アプリ |
研究実績の概要 |
PH患者(PAH・CTEPH)のうつ・不安および精神的苦痛に関するMixed Methods Studyを行った結果、全体の44.6%に軽度以上のうつ症状(PHQ-9≧5)がみられ、PAH64.0%、CTEPH34.7%とPAHで高く、中等度以上のうつ症状(PHQ-9≧10)もPAHで24%、CTEPH14.3%とPAHで高値となっていた。インタビュー分析では、【これまでの自分の喪失【周囲からの孤立】【在宅酸素療法(HOT)による煩わしさ】【病気の進行・悪化への脅威】という共通テーマが抽出された。PAH特有のテーマとして【副作用による苦しみ】が、CTEPH特有のテーマとして【息苦しさによる病気の反芻】が抽出された。この結果をBMJ respiratory researchのOriginal articleに投稿し、受理され掲載が決定した(bmjresp-2021-000876) また、この結果をもとに連携研究者およびマインドフルネスに精通している有識者間でプログラム内容の検討を行った。精神的苦痛の構成要素として、精神的側面だけではなく、副作用や自覚症状などの身体的側面やアイデンティティや社会的側面が抽出されたことから、症状マネジメントとマインドフルネス認知療法を組み合わせた「マインドフルネスを基盤とした肺高血圧症患者のためのセルフマネジメントプログラム」を開発した。このプログラムを行うにあたり、負担なく簡便にセルフモニタリングを行っていけるよう自己管理アプリも開発した。 現在は、Fesibility Studyの研究計画に対し倫理承認を受け、対象者のリクルート中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
倫理承認を受け対象者のリクルートを開始したが、新型コロナウィルス感染症の流行により、右心カテーテル検査入院が中止されていたためリクルートが行えない状態であったため。
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今後の研究の推進方策 |
Feasibility Studyの対象者リクルートを引き続き行い、プログラムを実施し、実現可能性について検討を重ねていく。 また、QOLの解析も行い英語論文投稿の準備を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画では、プログラム用のWeb会議システムを購入する予定であったが、実態調査の結果をもとにオンラインプログラムをより慎重に検討する必要があると判断し、購入を一旦見送った。しかし、プログラム再検討を行った結果、対面と遠隔とを組みわせた形での実施が最適であるとの結論に至り、Web会議システムの購入を再検討していたが、新型コロナウィルスに伴う社会情勢により、購入が保留となり次年度使用額が生じている。複数のWeb会議システムを試用した結果、脆弱性も解消され、接続の簡便性や利便性に優れているzoomやWebEXの使用を予定しているため、ライセンス購入が必要な場合は購入手続きを進めていく。また、自己管理アプリ使用に際し、予算の関係上IOS対応のものに限定される形でアプリを開発したため、iPhoneやiPadを保有していない対象者に対しても参加の機会が得られるようにWi-Fi機能のみのiPhoneの購入を予定している。 さらに、さらなる研究結果の公表のために英語論文投稿準備の予算に充て、取り組んでいく。
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