研究課題/領域番号 |
17K19842
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
阿部 幸恵 東京医科大学, 医学部, 教授 (20449218)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | シミュレーション教育 / アクティブラーニング / 看護教育 |
研究実績の概要 |
本研究では、看護師の臨床判断力を強化するためのアクティブラーニング型教育プログラムを開発し、その学習効果を評価することを目的とする。アクティブラーニングは、学習者が能動的に学習に向かう学習方法であり、多くの分野で導入が進み、効果的とされている。このことから、本研究の教育プログラムにも応用する。本研究の具体的な目標は1.看護学生・看護師を対象として臨床判断力の現状と課題を明らかにする。2.臨床判断力を強化するアクティブラーニング型教育プログラムの開発を行う。3.看護師を対象に開発した教育プログラムを実施し、その学習効果を明らかにする。の3点である。今年度は、目標1の達成を目指して研究を行っている。目標1は、予備実験と本実験から計画されている。研究費の交付を受けた7月から12月で予備実験で使用する、関連図シート、質問紙、ウエラブルカメラの使用方法の検討などを行ったそれに基づき、2018年1月から予備実験を開始した。予備実験は、看護師を被験者として、複数の患者を観察するシミュレーショントレーニングを行い、シミュレーション後に被験者に「関連図シート」作成、実際に観察したことに関する質問紙への回答を求めるものである。また、被験者は、シミュレーション中、ウエアラブルカメラを装着する。ウエラブルカメラで録画した映像は、被験者がベッドサイドで患者と環境の何に視点を集中させていたかを解析するデータとする。現在、被験者5名の予備実験を終了し、データを解析するとともに、本実験の準備を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予備実験で使用する質問紙と関連図シートの作成に時間を要した。また、被験者が、看護師・看護学生であるが、勤務の都合や、カリキュラムと研究者との予定が合わずに予定していた被験者数になかなか到達していない状況。そのために、予備実験でのデータを収集中であり、分析までに至れずにいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、7月までに予備実験を終わらせて、8月以降に本実験1に着手する。そのために、7月には、全国各地で実験予定の研究者らと打ち合わせ、シナリオのテストランを行う。本実験は、8月から12月まで行い、来年1月からは、研究2の教材の試作にとりかかる。教材の試作は、研究者らを3グループに分けて、e-learning教材、協同が癖夕教材、シミュレーション教材を作成し、平成31年度8月から本実験2教育プログラムの実施と学習効果の検証を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年7月に交付が決定してから、各地の研究者らで研究会を2回行っているが、すべてスカイプで行い、予定していた旅費の発生がなかった。また、これまで行ってきた質問紙と関連図シート作成は研究者らの知的な作業が中心であり、必要経費が発生しなかった。また、予備実験では、ウエラブルカメラのトレーニングを行ったが、すでに保有しているウエラブルカメラの台数のみで、実験を行うことができた。今年度は、本実験の予定である。各地に研究者らがチームを組んで赴き、被験者にトレーニングを行うために研究者らの旅費として計画的に使用する。また、数か所で同時に実験を行うことからウエラブルカメラや実験に必要な機器の購入が段階的に必要となる、被験者の謝金、データ入力などの費用などが必要になるため、それらの費用にあてる。
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