本研究では、看護師の臨床判断力を強化するためのアクティブラーニングを開発し、その学習効果を評価することを目標とする。看護師を対象として臨床判断能力を強化するために2021年度までに24症例のアクティブラーニング教材を作成した。2022年度は、作成した教材を雑誌で公表するとともに、看護師を対象として教材を使用しての研修会を行った。教材は、すべて学習用の模擬電子カルテに収納し、研修会では、模擬患者カルテから看護師が情報を収集し、情報に基づいて患者関連図を作成し、作成した関連図から患者の状態を臨床推論し、アセスメントを行う。さらにアセスメントに基づいて、行う看護援助を行っていく。コロナ禍のために参加人数も少なく、また、研修を対面で行うには、制限があり、数回の研修会の開催となったが、参加した看護師の情報収集力は強化され、臨床判断への思考過程が強化される傾向を把握できた。
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