研究課題/領域番号 |
17K19853
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研究機関 | 京都光華女子大学 |
研究代表者 |
森 久美子 京都光華女子大学, 健康科学部, 講師 (60468949)
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研究分担者 |
高田 律美 四国大学, 看護学部, 准教授 (20515803)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | 途上国 / 母子保健 / 妊婦健康診査 / 受診行動 |
研究実績の概要 |
これまで正常な妊娠経過をたどるための取り組みを様々な方向から検討してきた。しかし妊婦の生活や英語力等の個人差が大きく、日本のように妊婦に対してセルフケアを促す取り組みを一律に実施することは困難であることが明らかになった。ザンビア共和国ではハイリスク妊婦の早期発見を目的に妊婦健康診査の回数を4回から8回に増やした。自宅でのセルフケアが困難であることから受診回数を増やして医療者と関わる機会を増やすことは現状ではハイリスク妊娠予防の最も有効な手段と考える。受診に関する課題として昨年度の調査結果から①初診が遅れる②4回受診が定着していない③高血圧の割合が高い、があげられた。8回受診する必要があること、妊婦として周囲の人からサポートを受ける必要があること、高血圧とは及び高血圧のリスクを理解することの3点を目標としてマタニティーマークと妊婦健康診査カードを制作した。1日に多くの妊婦を少ないスタッフ数で対応しているのでカードの使用が負担にならないことと知識の少ない妊婦でも重要なことがわかるように情報を厳選することを工夫した。制作前に研究協力施設の病院院長と看護部長とメールでの討議を進め現地が納得する内容にし分娩件数から3年分として10000部制作した。訪問時に半年分として2000部持参した。訪問初日に産科医師および産科の助産師・看護師の代表と会議を持ち、調査結果を図表にまとめ現状を共通理解した上でマタニティマークと妊婦健康診査カードを妊婦の意識の向上とハイリスク妊婦の早期発見のために使用していくことを決定した。使用方法は訪問期間中に研究者自身が初診妊婦に対して説明および配布し、そのことを元に継続可能なマニュアルを作成し、訪問期間中の最終2日間は病院スタッフに実施してもらった。妊婦の反応は概ね良く、カードを通して確認し合う姿が見られた。その後はメールのやり取りで実施状況を確認している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目標の1つであった自宅での機器の使用に関しては病院スタッフの勤務状況と妊婦の機械使用や自己記録に慣れていないという現状から実施不可能と判断した。将来的に妊婦が活用できる妊婦手帳(母子健康手帳)の準備としては病院スタッフを巻き込むことができ順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
妊婦健診カードにより8回受診が定着するのに3年を予定して10000部制作しているので、その間に昨年度病院スタッフに聞いた意見を参考に母子健康手帳の制作を進める予定である。具体的には再度討議できるようにサンプルを制作する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予算計上していた機器より今年度作成した10000部の健康診査カードとマタニティマークの方が低価格であったため。
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