埼玉県及び埼玉県近辺に居住し医療ニーズの高い小児の在宅療養生活の世話をしている家族を対象にインタビュー調査を実施した。インタビューは非構造化に近い形で行われた。テーマは、在宅療養生活を継続するなかで経験した・経験している困難な状況及び改善に関わる要望について、家族の自宅で45~90分程度をかけて自由に話しを聴かせてもらった。2020年2月から訪問看護ステーションを通じて調査協力願いの文書を配布し、2020年11月までに9名の家族が、直接研究者に立候補を申しでてくれたが、新型コロナ感染症のため、病児・障碍者を抱えた家族に実際に面談できたのは6名(母親5名、祖母1名)であり、調査期間が大幅に延びたのと調査人数が予定していた人数(10名)には至らなかったが、困難な状況や要望がかなり詳細に多岐にわたり明確に聴きとることができたとみている。現在内容を分析している最中であるが、予測していた困難な状況や要望とは異なる新たな知見も得られている。最終的には内容分析の結果をもとに在宅療養生活をおくっている医療ニーズの高い小児のための訪問診療看護師制度の創設に向けて必要な骨子を検討する。
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