研究課題/領域番号 |
17K19865
|
研究機関 | 国立保健医療科学院 |
研究代表者 |
堀井 聡子 国立保健医療科学院, その他部局等, 主任研究官 (70617422)
|
研究分担者 |
嶋津 多恵子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 教授 (80184521)
野村 亜由美 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (50346938)
濱井 妙子 静岡県立大学, 看護学部, 講師 (50295565)
成木 弘子 国立保健医療科学院, その他部局等, 統括研究官 (30237622)
|
研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
|
キーワード | 地域包括ケアシステム / システム思考 / ロジックモデル |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、各地域で地域包括ケアシステムの構築を推進するため、保健師等地域で活動する看護職の「システム思考に基づく健康問題の分析と課題設定能力」および「地域包括ケアシステム構築の体系的評価に関する能力」の強化を目的とした方法論を確立し、同方法論を円滑に実践するためのツールを開発することを最終目的として展開するものである。 3年計画の初年度にあたる今年度は、研究代表と分担全員で、本研究で開発するツールの対象、目的、内容を再検討し、各研究者の役割分担を行った。その結果、本研究では、教育教材の開発を主目的とし、主に、地域包括ケアシステム構築にこれからかかわる人材(地域の情報を十分に有していない人材)に対し、地域の健康課題をシステム思考を獲得しながら、系統的に分析、評価するための方法論の教材化を、最終成果物とすることとした。 また、システム思考に基づく地域課題解決方法について文献レビューを行った結果、住民参加型によるアセスメントとレバレッジポイント(介入点)決定の過程を記述したケースレポート(事例報告)などは存在したが、その効果を量的に明らかにした研究は少ないことが示された。このため、来年度以降は、モデルフィールドにおいて地域住民の参加を得て、地域課題とそのケアシステム分析を行い、そのプロセスを記述することで教材用のモデルシナリオを作成するとともに、その効果を量的に明らかにすることで、評価用ロジックモデルの構築を目指すことに、計画を一部変更することとした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、初年度に方法論の確立とそのツールの開発を行うことにしていたが、上述の通り、本研究の目的に照らし合わせて、研究方法を一部修正することが必要になったこと、また、研究代表の所属先変更に伴い、今後の研究計画の見直しが必要になったことから、29年度内にツールの開発はできなかった。しかし、以下のとおり、全体的に研究工程を見直したため、最終的には、3年の研究期間の中で、ツール(教材)を完成できる見込みである。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究で開発する教材の対象を、主に、地域包括ケアシステム構築にこれからかかわる人材(地域の情報を十分に有していない人材)としたことから、具体的なモデルシナリオを作成するため、30年度はモデルフィールドでの調査を実施し、量的、質的データの収集を行う。また、そのプロセスを記述し、教材に含めるモデルシナリオとする。また、収集される量的データは、統計的に分析を行い、ロジックモデル用の指標としての妥当性、信頼性の検討を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
システム思考に基づく地域課題解決方法の先行事例の収集では、オーストラリアなどへの視察を計画していたが、現地担当者から、パブリッシュされた先行研究の紹介があったため、現地視察を取りやめたため、当初の計画よりも使用額が少なくなった。視察の代わりに、文献レビューを行ったため、当初計画していたシステム思考に基づく地域課題解決方向の動向を把握することができた。
|