研究課題/領域番号 |
17K19867
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
内富 庸介 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 部門長 (60243565)
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研究分担者 |
藤森 麻衣子 国立研究開発法人国立がん研究センター, 社会と健康研究センター, 室長 (40450572)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | 社会医学 / 神経科学 / 情報工学 |
研究実績の概要 |
がん医療において患者-医療者間のコミュニケーション、特にがん告知を含む悪い知らせの際の医師のコミュニケーション行動は患者のストレス反応に影響するため重要である。先行研究において医師のコミュニケーション行動に対する患者の意向調査を行い、意向を踏まえた医師対象のコミュニケーション技術学習プログラムを開発し、ビデオを用いた第3者による行動評定から医師の共感的行動が学習可能であること、自己効力感が増すこと、さらに患者のストレス反応軽減だけでなく医師への信頼感が増すことを無作為化比較試験により見出した。患者と医師双方に好ましい結果をもたらしたが、重要なアウトカムとなる信頼感増加の作用機序の詳細は明らかにできていない。 本研究の目的は、医師と患者の会話の音声、患者への医師の視線量、生理反応を測定し、患者の医師への信頼感との関連を検討することにより、信頼感増加の作用機序を明らかにすることである。 国立がん研究センター中央病院検診センターにおいて医師との面談をおこなうものを対象とし、面談中の受診者と医師両方の非利き腕に腕時計様センサーを装着し、皮膚電気抵抗、脈波を計測する。また、診察中の両者の表情、発話をビデオカメラで撮影する。さらに診察の前後に受診者に感情状態、面談の評価に関する質問紙への回答を求める。 国立がん研究センター倫理審査委員会の承認を得た後、検診センターとのキックオフミーティングを経てリクルートを開始した。本年度、37名のデータを集積した。内訳は、がんの可能性が非常に高いことが伝えられる判定4および5が6名、がんの可能性が低い判定3以下が31名であった。次年度も引き続きデータ集積を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床研究法の施行に伴い、国立がん研究センターの倫理審査が大幅に半年以上遅れ完全にストップした。そのため、患者登録が開始できず、延長を余儀なくされた。
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今後の研究の推進方策 |
研究開始後は、患者登録のペースは順調で、延長期間内で終了予定可能である。
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次年度使用額が生じた理由 |
倫理審査が半年以上ストップし研究開始が大幅に遅れたため、期間を延長した三年度目に執行額が持ち越して生じた。
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