本研究における29か月間の追跡データ分析から、初期調査時に身体的フレイル(虚弱)状態の者では、健常の者と比較して、1人当たりで約20倍の介護給付額が生じていた。特に75歳以上でより顕著な差額であり、29か月間での1人当たりの介護給付額は約20万円の差額であった。5年間の追跡データを用いて初回の介護サービス利用以降に1年以上の生存があった者で分析すると、生存中の介護サービス利用額と初回の介護サービス利用年齢との間には有意な負の相関関係を認めた。一方、初回の介護サービス利用以降1年以内に死亡した者では、生存中の介護サービス利用額と初回の介護サービス利用年齢との間に有意な相関関係は認められなかった。
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