SASP(細胞老化関連分泌形質)のTNFαの転写に対するPAI-1の影響について検討した結果、PAI-1がマクロファージのサイトカインの発現を直接亢進するというこれまで報告がないPAI-1の新規生理作用を見出した。この作用は、従来から知られる線溶系制御とは全く異なる。すなわち、マウスマクロファージ由来RAW246.7細胞株の培養系において、マウスPAI-1の添加は生理的濃度範囲である5nMで分泌TNFα量が上昇し、それはLPS刺激と匹敵するものであった特筆すべきことに、化合物(仮称CompoundX)がPAI-1で誘導されるTNFα産生を抑制することも発見した。
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