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本研究の目的はリアルタイムに変化する自律神経世界地図システムを開発することである．すなわち，スマートフォンのビデオカメラから得られる映像脈波情報に基づき，スマートフォンが利用可能な全世界の人々の自律神経系指標を，他のストレスや体調に関係するアンケートとともにオンライン・リアルタイムにクラウド上に収集・解析し，評価結果を各利用者にフィードバックするとともに，世界地図上で匿名化した全員の評価結果を同時に表示・共有するツール(自律神経世界地図)を開発することである．これにより，巨大データ収集とその利用が自動化される．
このような自律神経世界地図は，その時点における世界中の自律神経系疾患や精神的ストレスに悩む人々の分布とその度合いを表すものであり，各地域の環境（時間帯・天候・衛生・経済・治安・災害など）の変化に応じて時々刻々と変動するものと思われる．これは世界規模のリアルタイムのコホート分析ツールでありながら，ごく普通のカメラ付きスマートフォン以外には特別なセンサや検査装置を全く必要としない．
今年度は，昨年度までにプロトタイプとして構築したプラットフォームに依存しないクラウド型映像脈波解析システムを，仮想Windowsサーバーに実装することによって運用検証を行うとともに，機能の拡充を行った．すなわち，これまでは別のソフトで撮影して保存した身体映像ファイルを個別に選択してサイトにアップロードする必要があったのに対し，今年度開発したシステムでは，クライアントマシンの内蔵カメラから直接映像を撮影し，シームレスにサイトにアップロードできるようになった．これにより，本システムの利便性が格段に向上した．また，各ユーザーの体調アンケートと映像解析データが自動的に保存・表示・ダウンロード可能となるとともに，各ユーザーのデータが自動蓄積され，ビッグデータ解析の基盤が整った．
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