本年度は、昨年度に引き続き、青年期の学生を対象に様々な動脈硬化指標の測定を継続し、早期血管老化の実態調査のための横断的データベースの拡充を行った。具体的には、大学生・大学院生等を対象とし、トノメトリ脈波計等を用いて非侵襲的に血圧波形を記録し、脈波伝播速度(PWV)を計測した。また、超音波ドップラ装置を用いて、大動脈や頸動脈等における血流波形を記録し、種々の血流指標の定量的評価を行った。あわせて、対象者の基礎特性や食習慣、尿所見、生化学データ、臓器障害の有無等を調査し、血圧・血流波形やPWVとの相互関連を調べ、早期血管老化の原因となるリスク因子の分析を試みた。また、動脈硬化の進展を評価する前向き追跡研究の基盤となるデータベースの整理を行った。 本年度内に、早期血管老化と密接に関連する中心血行動態を焦点とした最新研究のレビューを行い、国内学会のシンポジウムにて発表した。
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