研究課題
挑戦的研究(萌芽)
青年期学生を対象として血圧・血流脈波を非侵襲的に記録し、大動脈脈波伝播速度(PWV)と大動脈血圧を測定し、早期臓器障害の程度を調査した。血管老化の指標であるPWVが6m/s以上を示す対象者の割合は女性10%,男性20%であった。また、大動脈の脈圧が増加するほど、推定糸球体濾過量が減少することが明らかとなった。上記の結果より、①本邦においても早期血管老化の傾向を有する青年期若年者が存在し、②早期血管老化と関連する大動脈血圧の上昇が、初期の潜在的腎機能低下をもたらす可能性があることが推測された。
循環器内科学
動脈硬化は心臓・脳・腎臓疾患の最大の原因であり,その予防は健康維持において極めて重要である。近年,急速に動脈硬化が進む早期血管老化(early vascular aging)現象が,将来の心血管病を引き起こすリスクとして注目されている。本研究は、青年期であっても初期の血管老化が出現し、大動脈血圧の上昇を介して腎障害を惹起する可能性があることを示唆した。将来の疾病予防を目指す健康管理において、若年時より動脈硬化を評価し、早期に予防を行うことが肝要であると考えられた。