研究課題
がん診療において腫瘍マーカーは癌の進行、治療への反応性を判定するための指標として頻用されているが、癌の存在診断マーカーとしては疾患特異性が高いこと、検出できる人とできない人が混在することなどから一般には使用されていない。仮にすべての腫瘍細胞を検出可能な血液腫瘍マーカーが開発されれば、がん検診スクリーニングに組み込むことで現行よりも効率的なスクリーニング、精密検査が可能になると考えられる。本研究ではすべての固形がんを検出可能な Universal Tumor Marker を開発することを目標に、以下の条件をすべて満たすマーカーとしてわれわれが高悪性度の循環癌細胞 (circulating tumor cell: CTC)マーカーとして報告した T-プラスチン(PLS3)に注目した:1 すべての固形がんで発現する2 血液中で通常発現しない3 血液中の循環癌細胞 (CTC)で発現することが検証済み本研究の最も重要な研究実績は、Universal Tumor Marker の候補である 血清PLS3 発現を実臨床で頻用されているELISA法で測定することが可能でありことを明らかにし、その発現が肺癌患者において健常者よりも高いことを初めて明らかにしたことである。更に食道癌組織におけるPLS3発現意義や神経芽腫患者の血液中に存在する循環癌細胞の検出にPLS3が利用できることも本検討により明らかにすることができた。本研究の成果は、現行のシステムよりも効率的ながん検診スクリーニング法として実臨床への展開が期待される。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 1件)
Annals of Surgical Oncology
巻: Mar ページ: Epub
doi: 10.1245/s10434-019-07268-0
International Journal of Oncology
巻: Jan ページ: Epub
10.3892/ijo.2019.4675
Journal of Surgical Oncology
巻: 118 ページ: 966~974
10.1002/jso.25217
巻: 25 ページ: 1221~1228
10.1245/s10434-018-6390-0
Oncology Letters
巻: Dec ページ: Epub
10.3892/ol.2017.7671
Anticancer Research
巻: 38(2) ページ: 939-944.
10.3892/ol.2018.9819