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2017 年度 実施状況報告書

マイクロRNAスイッチ法を用いた新規ヒト造血幹細胞濃縮技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K19904
研究機関京都大学

研究代表者

江藤 浩之  京都大学, iPS細胞研究所, 教授 (50286986)

研究分担者 宮西 正憲  国立研究開発法人理化学研究所, 多細胞システム形成研究センター, 研究員 (80542969) [辞退]
研究期間 (年度) 2017-06-30 – 2019-03-31
キーワード造血幹細胞 / マイクロRNA / メッセンジャーRNA / 細胞純化 / テクノロジー
研究実績の概要

ヒト造血幹細胞移植の歴史の中で“なぜ成功する移植と成功しない移植が存在するのか”という命題は完全には解決されていない。それはマウスと異なり、ヒト造血幹細胞の真の特異的なマーカーが同定されていないことが一つの原因とされている。そこで、細胞の固有の特性を規定すると報告されている“マイクロRNA”こそがマウスとヒト造血幹細胞とで共通との仮説を立てて本研究を開始した。2個に1個の比率でマウス造血幹細胞を純化できる細胞内タンパク質マーカーHoxb5分子の発見をもとに、本マーカーのレポーターマウスを活用し、マウスの造血幹細胞とヒト造血幹細胞に共通な分子を決定することを目的とした。研究提案の中でもっとも重要なポイントは、現在までの検証によって各種の細胞では、マイクロRNAはその発現レベルよりはメッセンジャーRNAに会合してその機能を抑制するマイクロRNAの活性レベルがより重要と考えられることである。そこでこの活性を指標に細胞を選別化できる “マイクロRNAスイッチ技術”(Miki et al. Cell Stem Cell 2015)を発揮するベクターシステムが血液細胞に導入可能かどうか、マウス細胞株(Ba/F3)を用いて検証した。
その結果、現在までに成功している接着系の細胞株と異なり、少数血液細胞では“マイクロRNAスイッチ技術”の根幹をなす合成mRNAベクターの導入効率が非常に悪いことが明らかとなり、最適な導入は達成できなかった。
加えて、本研究の提案土台であったHoxb5レポーターマウスの供与が不可能となったことから、東京大学医科学研究所の山崎博士が製作した別のレポーターマウスを使用することを決定した。
以上から、提案目的を達成するための実験条件の最適化にむけた検証を引き続き継続し、次年度の早期の段階での少数血液体細胞への“マイクロRNAスイッチ技術”確立の最適化条件を決定していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

1)実験技術上の問題点を解決できなかったこと
2)使用予定マウスの供与が不可能になったこと

今後の研究の推進方策

合成mRNAを含有する“マイクロRNAスイッチ技術”を発揮するためのベクターの改変を通じて、少数の体細胞、とくに血液細胞にも目的のベクターが導入できるように最適化を促進する。

次年度使用額が生じた理由

Hoxb5レポーターマウス作成者である宮西博士(理化学研究所)が当初分担研究者として参画していたが、本人の希望等により本研究からの離脱が決定され、さらに宮西博士に分配されていた分担金が、全額 理化学研究所より京都大学に返却された。この経緯に関し、研究の継続性等に関する検証が長くなり、本研究費を使用することが躊躇されたことから、全額繰越することを決定した。
なお、計画にある実験上の予備的データは京都大学において、研究室内の予備費等を用いて取得しており、すべての研究費を平成30年度に繰り越して研究を継続する。

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公開日: 2018-12-17  

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