研究課題
当該年度においては、約6000人の日本の歴代オリンピック選手の名簿に基づいて、オリンピアンズコホートデータベースを構築した。世界中のオリンピック代表選手に関する最大のオンラインデータベースのSR/OLYMPIC SPORTS (http://www.sports-reference.com/olympics/)、朝日新聞および毎日新聞の死亡記事情報、ウィキペディア、さらに必要に応じてGoogle検索等の公開情報資源を利用して、一人一人の生死情報を調査した。観察開始を戦後の出場大会とすると、最大観察期間は1952年から2017年までの65年間であり、約3,500人のオリンピアンを追跡し、平均観察期間は27.8年(総観察人年:94076.82人年)、死亡が153人であった。オリンピアンズコホートの特徴は、観察開始の暦年が大会ごとに2年ずつずれている点だが、標本集団は紛れもなく日本のトップアスリートであり、引退後も様々な分野で活躍する著名人が多い。このため先ずは公開情報資源だけでどの程度の生命予後評価が可能であるかを確認する狙いもあった。人口動態統計を利用し、標準化死亡比を算出することにより日本のオリンピアンは死亡率が低い結果を報告し、オリンピアンが長寿であることをアジアにおける単一民族国家で証明することができた。さらに何故、長寿であるかという原因を探るため、競技種目の運動強度や引退後の生活習慣などを説明変数として死亡リスク評価を行う目的で、アンケート調査を実施することとした。大阪大学医学部附属病院の倫理審査委員会の承認を得て、本人もしくは遺族の同意の下に情報収集を行い、分析疫学の手法でリスク評価を実施する予定である。
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平成30年度東京オリンピック記念体力測定の総括(第1報)
巻: 1巻第10章 ページ: 67, 70
BMJ Open Sport & Exercise Medicine
巻: 5 ページ: e000653~e000653
10.1136/bmjsem-2019-000653