研究課題
挑戦的研究(萌芽)
生体から臓器を取り出して、初代培養細胞の調整・培養過程において、低酸素下で開腹して、初代肝細胞を調整、培養すると、細胞生存率が著明に上昇し、薬剤感受性が高く保持できた。一方で、常酸素下で調整した初代肝細胞においては、ストレス感受性転写因子Nrf1やNrf2の発現低下が起こり、外来刺激物質の解毒作用ばかりではなく、感受性なども変えてしまうことが明らかとなった。特にNrf1のタンパク質低下について解析を進めたところ、糖鎖修飾PNGaseの発現が上昇することを見出した。
生化学
10%程度の低酸素下での肝細胞を調整すると、酸化ストレス、小胞体ストレスなどの刺激に対する感受性が鋭敏になることが確認できた。今後、iPSから樹立されたヒト肝細胞を用いて、低酸素下で薬効試験等を行うことで、in vivoとin vitroとの感受性の乖離を減少させることが可能となり、早期に化合物の生体内での代謝評価を実施できると期待される。