血管平滑筋が存在しないために糸球体高血圧のメカノストレスに直接さらされる糸球体内皮細胞に注目し解析を行った。本研究では、12種の遺伝子について定量PCR法を用いて発現を解析した。また、CKDモデル動物を作成し、末期CKDの腎臓について同じ遺伝子の発現を解析した。その結果、Wntシグナルへの関与が想定されるSFRP2遺伝子の発現が、大きく減少することが分かった。CKD初期や中期において発現増加した同遺伝子が末期には大きく減少し、内皮細胞や糸球体機能の低下と関わっている可能性が示唆された。WntシグナルがCKDにも関与すること可能性が示唆され、CKD進展の機構解明に寄与するものと考えられる。
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