研究課題
株式会社JMDCが保有する健康保険組合被保険者の健診データを用い、高血圧発症者と非発症者が同数になるようアンダーサンプリングを行った対象者で機械学習を行い、高血圧の5年間発症予測のための人工知能を構築した。次に、長期前向きコホート研究である大迫研究のデータを用い、この人工知能の予測能を測った。結果、ニューラルネットワークよりもロジスティック回帰分析の人工知能の方が、ややバランス良く高血圧発症と非発症を分類できていた。しかし、これらの分類能は良好ではないため、変数のカテゴリ化、因子の追加、ニューラルネットワークパラメータ調整等を実施したが、予測能に大きな改善は認められなかった。脳卒中発症予測の人工知能の構築も同様に検討したが、JMDCで構築した脳卒中発症予測の人工知能の大迫研究対象者におけるF値は極めて低値であった。以上の検討から、JMDCデータで構築した高血圧・脳卒中発症予測の人工知能を大迫研究データに適用することは困難と考えられた。これは学習と検証に用いたデータに含まれる対象者特性の相違が原因と考えられる。傾向スコアマッチングによる両データの特性を一致させる、データのスケール変換などにより大迫研究データと互換性が取れるJMDCデータの再構築をする、といった前処理に関する検討が必要と考えられる。
すべて 2019
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日本循環器病予防学会誌
巻: 54 ページ: 163-169
J Am Heart Assoc.
巻: 8 ページ: e012121
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