研究課題/領域番号 |
17K19941
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研究機関 | 別府大学 |
研究代表者 |
木村 靖浩 別府大学, 食物栄養科学部, 教授 (90549792)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2021-03-31
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キーワード | 核酸系旨味物質 / 炎症性腸疾患 / AMPK / 抗炎症作用 |
研究実績の概要 |
研究者は、これまでに魚介類や食肉類に多く含まれる核酸系旨味物質のアデノシン一リン酸(AMP)及びイノシン一リン酸(IMP)を薬剤により惹起した慢性大腸炎マウスに投与したときに、大腸組織のAMP-activated protein kinase(AMPK)の活性化を介して、大腸組織における炎症性サイトカイン(TNF-α、INF-γ、IL-17A)産生が抑制され、下痢・血便の程度が改善して大腸の炎症症状が緩和されることを見いだしている。 そこで、本研究はAMPによる大腸炎緩和作用のメカニズムを探索するため、炎症を起こした大腸の粘膜固有層に浸潤した炎症性ヘルパーT細胞(Th1・Th17)及び制御性T細胞(Treg)の免疫応答に焦点をあて、マウスにAMPを与えて同時にデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)により慢性大腸炎を起こしたのち、大腸を摘出した。 採取した大腸組織を酵素処理して密度勾配法により大腸粘膜固有層に浸潤した炎症関連免疫細胞を採取し、蛍光標識抗体により蛍光染色してフローサイトメトリー法によりTh1、Th17及びTregそれぞれの細胞数を計測した。ようやくマウス1匹あたりから大腸粘膜固有層のリンパ球を1.0×10^6個/mlから多いもので7.0×10^6個/mlを取り出すことができるようになった。そのリンパ球画分から蛍光標識抗体を用いたフローサイトメトリー法によりTh1、Th17及びTreg細胞数の計測を実施した。しかし、各T細胞ともに個体差によるバラツキが大きくAMP投与による明らかな影響を確認することができなかった。また、抗CD4磁気マイクロビーズ抗体の使用も試みたが、改善が認められなかった。今後も実験を繰り返し、蛍光標識抗体による各T細胞の蛍光染色の精度を高めるために蛍光染色に使用する抗体や染色条件の検討を加えていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
家事都合及びフローサイトメトリー細胞解析装置に不具合が起こり、修理に時間を要した。そのため、十分に実験に費やす時間の確保ができず当初の計画より実験の遂行に大幅な遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
計画通りに実施できなかった実験を遂行する。すなわち、AMPを投与した慢性大腸炎マウスの大腸組織から炎症関連免疫細胞(Th1、Th17、Treg及びその他)を採取し、蛍光標識抗体を使ってそれらのT細胞数を計測し、大腸局所におけるAMP投与による抗炎症作用との関連を調べ、抗炎症メカニズム解明の一端としたい。しかし、フローサイトメトリー法による各T細胞の計測値データにバラツキがみられることから、T細胞の蛍光染色精度を高めるために蛍光標識抗体と蛍光染色の方法に検討を加えたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和1年度に計画していた実験が家事都合及び分析機器故障による修理に時間を要したため、計画通りに実施できず、次年度使用額が生じた。 (使用計画) 次年度使用額は、実験動物、その飼料及び床敷、分析試薬・キット類等の購入に充当する。
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