筋萎縮は神経難病や生活習慣病によっても生じ、認知症と並んで介護予防の面からも社会的要請の強い重要な研究課題である。本提案では、神経筋接合部(NMJ, neuromuscular junction)の変性として筋萎縮を捉え、「NMJを保護することが筋萎縮抑制につながる」という仮説の実験的な検証を試みた。本研究により、軸索変性を抑制する複数の小分子化合物が見出され、そのなかのEGFR阻害剤の投与により、軸索変性を抑制(遅延)させた動物個体では、腓腹筋重量の低下が抑制された。これらの結果から、軸索変性を止める、あるいは遅延させることにより、NMJを機能的に保護できる可能性が示唆された。
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